プロ野球が開幕した。今年の阪神はとても楽しみだ。いろいろ話題満載の今年の阪神であるが、私が一番注目したいのは開幕戦のオーダーが外国人二人を除き、すべて生え抜きだったというところだ。ここ２０年来、阪神は打の主力をFAに頼ってきた。片岡、金本、城島、新井、福留、糸井などなど。その主力が圧倒的に活躍すれば優勝まで届く。金本全盛期の０３年、０５年がそうだ。しかしながら、そこそこの活躍にとどまった場合、それが０５年以降ずっとなのだが、優勝までは届かない。主力級を引き抜くというのは諸刃の剣だ。阪神の若手選手たちがＦＡで来たスター選手に遠慮するし、給与も破格で、その他の待遇面もまったく違う。どうしたってチームワークに悪影響を及ぼすのだ。昔阪神の選手たちがよく集まる小料理屋の大将から聞いた話だが、お店に選手が電話してきて、金本が来てるかどうか確認し、金本が来ていると聞いたらお店には来なかったという。そういう存在だったのだ。ところが今年は本当に久々に生え抜きだけでオーダーを組めた。しかも全員20代で、とても若い。監督も選手一人一人を大切にする矢野監督だ。今年こそ阪神が一つのチームとしてまとまってくれる気がする。総合力としては、守備や走塁に不安があり、まだまだなところはあるが、一つのチームとして一丸となって闘う姿を見せてくれるのではないか。そんな期待に胸を膨らませている今日この頃である。八木和也