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2021.03.25

BLM運動と差別(日本に民族差別はないのか)

ブラック・ライブズ・マター(BLM 黒人の命は大事だ)、米国における黒人差別問題が起きた昨年夏頃、我が国のSNS上で「日本には米国のようなひどい差別はない」という声があがったことについて、毎日新聞3月13日の夕刊で我が国における在日コリアン・韓国出身学生(高校から大学院までに通う奨学生)1000人に対する差別実態調査が報告されていました。
 この調査報告によると、直近3年間の経験で
(1) 在日コリアンであることなどを理由に「言葉による嫌がらせ」を受けたとする回答は30.9% その内48.1%は相手が同級生など生徒・学生アルバイト先の客(16.4%)や学校の日本人の教員(10.1%)など身近な人だった
(2) ネット上で民族差別的な表現を見たとする回答は73.9%にのぼり、差別的な書き込みや記事を見るのが嫌でインターネット利用を控えた人は「よくある」と「ややある」含めて23.7%。
(3) ヘイトデモ・街宣について見聞きしたとする回答も75.7%
ということでした。
 「在日から反日をとったら死んでしまいます」とか「韓国に帰れ、日本から出ていけ」とか「死ね」、ヘイト街宣での聞くに堪えない言動は「民族差別」ではないのでしょうか。ヘイトデモや在日コリアンや学生さんに対する差別実態調査で指摘された事実は明白な民族差別です。恐いのは「特定の民族は出ていけとか、殺せとかいう街頭で叫ばれる一部の過激化した特殊な言葉が標準語化して定着、街頭やネットだけではなく、私たちの日常生活のあらゆる場で差別と偏見がすり込まれていくこと」です。
参考までに米国ミネアポリス市議会は、白人警察官の暴力で死亡したジョージ・フロイドさんの遺族に2700万ドル(約29億円)を支払い、和解することを決めたようです。 羽柴修

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