弁護士　西田雅年
昔，時代劇『水戸黄門』のドラマの中盤当たりで，格さんや助さんからご隠居の出番を促す場面が必ずあり，これに対して，黄門さんは事ある毎に「もう少し様子を見ましょう」と返します。その結果，案の定悪事がどんどん進行し，取り返しの付かない状態となります。しかし，最後は「印籠」が出され大団円を迎えるのが，定番でした。「様子を見る」ことで，ドラマが盛り上がるのですね。
大体「様子を見ましょう」という台詞は，結果が分からない場合に使うのが普通で，特にお医者さんが使います。しかし，結果が分かっている場合には手遅れになるので使ってはいけません。新型コロナ問題では，自治体の首長や野党から早急に対策を打ってと言われても，政府は「もう少し様子を見ましょう」として対策が後手後手になっているように思います。新型コロナ対策には「印籠」はないので，「早く，強く，短く」対策を打つことが必須です。

（１月２１日記）