中神戸法律事務所 Nakakobe Law Office

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一般民事・家事

2020.09.03

【事例紹介】債務関係事例

私は弁護士登録以後,数多くの借金問題を扱ってきました。借金問題には,借金を返済するために債権者(主に金融機関)との示談交渉する事件(任意整理)や、借金について再生計画を立ててそのうち一部について返済して残りは免除してもらう事件(個人再生手続)、現状では到底借金を返済することができないためやむなく免除してもらう事件(破産申立)などがあります。従前は、身内や知人の連帯保証人になったことから、突然多額の借金をかぶってしまったとか、遊興費などのため多額の借金をしてしまったという事例が多数ありました。

背景・概要

Aさんはサラリーマンで、住宅ローンを組んで自宅を購入していましたが、リーマンショック後の不況(2009年頃)のため残業がなくなり、そのため収入が不足し、住宅ローンの返済や子供の教育費の支払いのため、金融機関からの借入をつづけて支払い続けていましたが、今後の見通しがつかず、返済が滞るようになりました。しかし、破産をしますと自宅は手放し、会社も解雇されるかもしれません。そこで、個人再生手続を申し立てることにしました。

詳細

裁判所が再生計画を認可するまで、住宅ローン以外の支払いを停止し、その間に奥さんがパートで働いて収入を増やして、毎月の返済金を積み立てていくことにしました。その結果、3年間毎月再生計画通りに分割返済を実行して、自宅は維持することができ、その他の借金も免除になり、ようやく通常の生活を取り戻すことができました。

総括

なお、現在は新型コロナウイルス感染拡大のため、事業が休止したり、解雇されたりという事態が予想されます。国の対策として種々の制度が設けられていますが、それだけでは不十分ですので、今後は個人再生手続だけでなく、自己破産も考えていく必要があると思います。

弁護士:西田 雅年

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