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2025.05.19
SNS選挙について思うこと
SNSが選挙でもっとも重要なメディアになり、日本の政治の風景も変わった。このテーマについて、高校生や大学生に向けてお話しをする機会をいただき、いくつか分かったことがあるので、何回かにわけて書いておきたい。
若者たちはSNS選挙に概ね肯定的である。これまでとても遠い存在だった政治が、SNSで候補者が発信するようになり、距離が縮まったそうだ。
マスコミというフィルターを通してみる政治は、なかなか難しくて分かりにくく、自分たちが本当に欲しい情報が届かなかった。が、SNSが選挙で中心となり、候補者の演説を最初から最後まで聞くことができるようになったし、わからないこと、聞きたい事についてSNSで質問をしたらすぐに答えが返ってくる。だから選挙への興味が自然に沸き、投票に行こうという意識も高まっているのだそうだ。
しかも、昨年の参議院議員選挙でも、兵庫県知事選挙でも、若者たちが多く投票した政党なり候補者なりが結果を出しており、自分たちの行動で政治が変わるのかもしれないという思いも芽生えてきているようだ。
もちろんSNS選挙には大きな課題もまだ多くあり、そのこともこれから書いていくが、多くの市民、特に将来の担い手たる若者たちが政治に関心を持ち、投票に行くようになるという結果へと繋がっている点は、率直に評価すべきだと私は思っている。
私たちの世代は、情報とはマスメディアが与えてくれるものを認識することころから始まった。が、ミレニアム世代以降は、最初から自分の興味・関心に従って、自分で集めていくものなのだ。
SNSの浸透は、大きく世の中を変えている。そのツールをいかに公平に、いかに正しく使わせるか。私たちの業界に重くのしかかる課題の一つである。
八木和也