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2025.08.04

本当に「核武装が最も安上がり」なのか?

 先頃の参院選で当選された参政党の議員が、選挙中の街頭演説で、「核武装は最も安上がりだ」と主張していたと報じられた。

 かつて自民党も核兵器を保有できるか検討していて、結論として米国の核の傘にいる方が現実的としたそうだ。狭い日本では核実験をすることは不可能だからだ。ましてや最近は活断層が次々と発見されており、そんな場所で地下核実験をして果たして大丈夫なのか。

 そもそも核兵器はどこから買うのかというと米国しかあり得ないが、本当に米国は売ってくれるのだろうか。現在核兵器を保有する国は、米国・英国・フランス・中国・ロシアの5カ国が独占して、他国の核兵器保有を禁止する国際条約を締結している。従って、米国は条約に違反してまで日本に核兵器を譲ってくれそうにありません。

 そしたら自前で核兵器を開発することになるが、現時点では技術的に十分可能だと言われており、核物質も大量にあります(原発があるから)。しかし、作った核兵器が使えるのか実験をしなければなりませんが、日本に核実験できる場所はありません。

 仮にどこかから買えたり、核実験せずに核兵器が保有できたとして、その核兵器をどこで保管するのか、という問題があります。どこの市民も核兵器の保管場所の近くに住むのはイヤですね。

 日本は唯一の被爆国として、国是で非核三原則を定めており、核兵器を保有することに対して国民の反発が相当予想され、政治的リスクが高い。

 以上のとおり単純に検討しましたが、核武装は安上がりとは言えないというのが結論です。

(弁護士 西田雅年)

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