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2025.05.11

 女性の社会進出について思う事(2)

女性の社会進出が勢いを増していることで、現実に社会に様々な変化がもたらされていることを今日は書いてみたい。

 女性が社会のメンバーに加わってきたことで、明らかに労働時間に関する考え方に変化が生じた。

 弁護士会では50ほどの委員会というものがあって、月に1回は定例の会議が開かれている。私は憲法や人権の委員会にこれまで参加してきた。

 現在では、こうした定例会議の開催時間はほぼすべて昼間の時間帯だ。一昔前は午後5時からの会議も普通にあった。が、現在では事実上禁止されている。午後5時から開催すれば、子育て中の女性弁護士が参加できないためだ。

 弁護士業界では、この他にも様々な団体や、弁護団などの会議もあるが、いまやランチの時間帯などを利用した昼間の会議というものが常識になってきた。
 
 この結果、仕事は午後5時~午後6時までに終えるものであるという意識が男性陣にも芽生えてきて、全体の業務終了時間がどんどん早くなってきていると感じる。

 もちろん、仕事が終わらずに自宅に持って帰ってやる場面もあるにはあるのだが、少なくとも事務所に残って遅くまで毎日にように残業を続けるといったことは、うちの業界では今や激減していると思う。
 
 私の場合でも、帰宅時間は5年前と比べて、平均して2時間は早くなった。そのおかげで、夜の家事を一つ引き受けることができており(夕食の後片付け)、生活の幅が広がったと感じている。

 業務終了時間が早まったのは、いわゆる「働き方改革」が進められた時期やコロナとも重なっており、直ちに女性の社会進出が原因であるとは断定できないが、男性にも業務を効率的にこなし、家事も分担するという意識が芽生えだしたことはたしかである。

 男性も女性も社会に参加し、家事も育児も双方で分担していく世の中が理想であるはずだ。それが社会に新しい価値をもたらすからだ。やはり女性の社会進出は良い事である。八木和也

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