その他
2025.04.21
女性の社会進出について思うこと
女性の社会進出の加速が著しい。朝の通勤電車でも、半数が女性だ。おじさんたちの聖域だったはずの居酒屋に行けば、女性だけで囲んでいる卓の方がむしろ多くなった。とにかく女性が元気だ。
女性の社会進出は、家事・育児をパートナーの男性がしっかりと手伝うことが担保されていれば、社会にとって良い事しかない。それは慢性的な人手不足を補うという意味だけではない。もちろん女性も自己実現するには社会と関わることが必要だし、なにより女性は男性とは別の脳をもっており、職場に多様性をもたらすからだ。
特に科学的なエビデンスがあるわけではないし、もちろん例外はある。が、私はいつも仕事をしながら男女の脳は違うなと思っている。
例えば、労働事件で、職場でのパワハラを証明したい場合、同僚が証言してもらえれば大きな証拠になる。その場合男性がよいか、女性がよいかと言えば、女性の方がよい場合が多い。男性の脳は目的的にできている。仕事をしている場面では、自らのタスクをこなすことに意識を集中している。だからどうしても視野が狭い。同僚が上司から激しく叱責されていても、その内容まで頭に入っていないことが多い(裁判で証明するには内容も重要なのだ)。これに対して女性は全体的にみている。視野が広い。そして、女性は事実を細かくとらえることが得意だ。だからリアルに記憶してくれている場合が多い。
私の仕事とは離れるが、日常の会話でもそうなのだ。男性の会話はある目的に向かって進んでいき、その目的の完了をもって終わる。何かに役に立つ(ここがポイント!)知識や経験を共有したり、ある問題についてお互いの意見を言い合ったり、「落ち」をつけて場に笑いをもたらしたりすることが、その目的となる。
女性は、具体的な事実の一コマ一コマを、ストーリーにして話すことが多い。今日はこんなことが起きて、そしたらあの人がこんな反応して、で私はこうなって、という感じに進んでいく。女性の場合の会話の目的とは、相手にも同じ体験をしてもらい、共感を得ることなのである。男性は、そういう会話はあまり得意としない。女性がパートナーの男性に今日職場であった嫌なことを話すと、パートナーからその対応策を示され、がっかりする(単に共感を得たかっただけ)のは、この脳の違いからくる。
私はどちらが優れているとか言っているわけではなく、単に違いを指摘しているだけだ。もちろん、例外もたくさんある。が、多様性という観点で捉えた場合、男性の場合だけよりも女性が参加した方が多様になることを否定する人はいないだろう。女性が社会進出を加速していけば、どんどん世の中を変えていくことになるだろう。それは基本的に良い事なのだ。八木和也