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2025.02.24

お金と幸福追求権

お金というものは大変やっかいなものである。これがあれば何でも手に入るがごとき錯覚を抱かせ、なくなってくると常にお金の心配をしながら窮屈に生きることになる。

私たちは幸福を追求する権利(憲法13条)を生まれながらにして持っているが、お金の心配を常にしなければならない状態では、幸福がなんであるかを考える前に、お金をどうやって手に入れるかを追求する人生になってしまう。

また、お金が本当は十分にあっても、お金に心を奪われてしまって、お金をもっと欲しいと思い続けてしまうと、やはり本当の幸福を見つけることは難しい。

私が経験的に思うことは、お金のことを考える時間をできるだけ少なくする生き方こそがもっとも良いお金との付き合い方だと思う。なぜならお金は人生の目的にはなり得ず、幸福追求の手段でしかないからだ。

ここまではある程度の人が同意してくれかもしれないが、ではそうするためにどうすればいいのか、それができなくて困っているのだという疑問も出てくるに違いない。

お金というのは血液と同じで、世の中という身体をぐるぐると循環している。だから自分をしっかりとその中に身を置く事が大切だと思う。社会の中に身を置き、多くの人と繋がること、本気で人のためになろうと動くこと、これが重要だと思う。そうすれば、お金は自然に巡ってくるものなのだ。

これが実は幸福追求というものと密接に繋がっている。私たちは社会にコミットし、そこで役割を担うことで、本当の充足感を得ることができる。人間はどこまでいっても社会的動物なのである。

自分が人のために役に立つことがどこまでできるのか、そのために自分のどこをどうやって磨くのか、それを問い続けることが、真の幸福を実現し、お金から離脱する唯一の方法だと私は信じている。

八木和也

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