その他
2022.02.14
改正公益通報者保護法が施行予定
いわゆる内部告発は、会社の不正を明るみに出す最良の方法となってきています
これまで、内部告発者を保護するために公益通報者保護法がありましたが、適用範囲が狭いなどの批判がありました。
そのため公益通報者保護法が一部改正され、2022年の6月予定で改正法が施行されます。
改正された公益通報者保護法を説明します。
1 公益通報者保護法の目的
公益通報を行った労働者に対する解雇などの不利益取扱いを禁止する
2 公益通報とは
労働者等が、労務提供先の法令違反等通報対象事実について、不正の目的でなく一定の通報先に対して行う通報
(1) 労働者等
正社員、パート、アルバイト、派遣社員、取引先社員も含まれる。
改正により、退職者(1年以内)や役員が追加される。
・ 勤務中は不正に対して声を上げにくい労働者も、退職したら不利益を受けることが少なくなるので、声を上げやすくなると考えます。
(2) 法令違反等の通報対象事実
犯罪行為等刑罰につながる行為に限る 改正により、行政罰につながる行為も含む。
・ 改正により対象範囲が拡大しましたが、それでも対象範囲が狭いと言えます刑罰に該当するかどうかという判断はかなり微妙だからです。
(3) 不正の目的でないこと
・ 嫌がらせ目的とか自分の利益を図る目的(ゆすり行為)を防止するためです。
(4) 一定の通報先
ア 勤務先当への通報
通報対象事実が生じているかまさに生じようとしていると思料する場合に通報できる
イ 監督官庁などの行政機関への通報
さらに対象事実が真実か真実に相当するという場合に限って通報できる。ただし、改正法によって氏名等を記載した書面を提出する場合はこの要件は不要となりました。
ウ 外部(マスコミや消費者団体など)への通報
その外部に通報することが違反行為の発生や損害拡大防止のために必要な者に該当する必要があり、かつ、更に要件は加重され、通報による不利益取扱いのおそれ、罪証隠滅のおそれなどの事由がなければならないとされている。
・ 要するに外部通報のハードルは極めて高い。改正されても高い。
3 公益通報者の保護
公益通報者への不利益な取扱いは禁止 また改正法により、通報者は損害賠償責任が免除される。
・ 通報者保護といっても、現実には、通報をしたらそれを知った会社から嫌がらせを受けるケースもありました。
そこで、改正法では、内部調査従事者には罰則付きの守秘義務を課しました
調査担当者が会社に情報をもらすことを防止するためです。