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2026.01.25
マクロン大統領の演説を聞いて思うこと
フランスのマクロン大統領が、今月20日、ダボス会議にて、グリーンランドの領有を企むトランプ大統領を意識して「私たちは、いじめではなく尊重を選ぶ。陰謀論ではなく科学を選ぶ。暴力ではなく法の支配を選ぶ」と演説しました。
私は、この演説に100%賛同し、かつ一人の人間として、この原則を維持するために闘い続けたいと心の底から思いました。
世界は今瀬戸際に立たされています。国益のためであれば、法を無視することも許されるかのような風潮が蔓延しつつあります。
もちろんその代表はプーチン大統領とトランプ大統領です。その傍若無人はとどまるところを知りません。が、わが国の高市首相もその一人です。台湾有事が日本の存立危機事態になり得るとの国会答弁は、あきらかに国際法を無視した暴言です。撤回しない選択などあり得ません。
高市総理の今回の解散も同じです。国民が一昨年10月の選挙で任期4年を前提に選んだ衆議院議員を、わずか1年3カ月でクビにしてしまいました。しかも、その大儀など全くない自己都合での解散です。こうした解散権の行使が憲法上許容されているとはとても思えず、やはり法を無視した権力行使です。このおかげで選挙管理委員会職員の方々が昼夜を徹して準備作業にあたっているということです。
私は、法律家として、法というもののもつ力を信じています。法は、暴力を否定します。冷静で理知的な議論を可能にします。が、それだけではありません。
法は人々の予測可能性を担保してくれます。私たちが生きる明日は今日と同じ条件で、同じルールであると信じさせてくれるのです。
自然界でも花が開くには時間がかかります。果物が種から実をつけるまでには時間を要します。人間界でも同じで、子供が大人になるまでには十数年の時間を要します。何かに投資し、それが利益を生み出すにも時には数十年の時間を要するのです。
人々が何かにチャレンジする、何かに人生を賭けるという決断をするためには、一定の社会的条件が変わらないことが大前提となるのです。
法の支配の破壊は、こうした人々のチャレンジする精神をも奪います。そして衰退を加速させます。
私たちは、法を無視するような考えのリーダーと徹底的に対峙していくことが、今もっとも必要なことなのです。八木和也