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2025.12.07

働いて×5が流行語大賞になって思うこと

今年の流行語大賞が、高市総理が自民党総裁選勝利演説で使った「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」に決まったそうだ。

 

ネット上では「誰も使っておらず、全く流行っていない」と首をかしげる声をたくさん見かけたが、それでもこの言葉が「流行語」として選ばれるほど、高市総理の人気が高く、「日本のために頑張ってる総理への期待感」を象徴する言葉だったということなのだろう。

 

私も高市総理が頑張っていることを否定するつもりはない。2時間の睡眠、深夜3時からの会議を続けながら、南アフリカで開催されたG20にも出席するなど、よく身体が持つものだなと驚くとともに、その体力と精神力には感服する。そこだけを切り取れば、日本の新しいリーダーを応援したくなる気持ちもよく分かる。

 

けれど政治家の仕事は、頑張ってくれていれば、それだけで応援して良い仕事ではない。例えばプーチン大統領は大統領になってからすでに25年がたっており、もう73歳だ。が、今でも年末には4時間ぶっ通しで国民との対話集会をテレビ中継つきで続けている。恐るべき気力と体力だ。

 

しかしながら、プーチンの頑張りを賞賛できる人は少ない。むしろ、ウクライナの惨状や出口がいつまでたっても見通せない現状には苛立ちしかない。その意味ではプーチンが頑張ることは、多くの人を不幸にしているとも言えるのだ。

 

今からわずか90年前には、ある狂人がドイツのリーダーとなり、世界を大混乱に陥れ、日本もその指導者と同盟を組み、何千万人もの人の命を奪うことになった。

 

国のリーダーとは、大海原に浮かぶ船の舵取り役だ。日本丸をどこに連れて行こうとしているのか、それこそが最大のポイントだ。最初の方向を間違えてしまえば、とんでもないところへ国民は連れて行かれてしまう。そして、頑張れば頑張るほど、それだけ余計に、破滅への到達が早くなる。

 

私は、総理就任から1ヶ月余り、高市総理の言動をずっと注目してきたが、高市総理がどこまでその自覚を持ってるのか、日本丸をどこへ連れて行こうとしているのか、不安で仕方がない。勇ましい発言で隣国との緊張を招き、大規模な財政出動で、長期金利を上昇させている。この先には大きな崖が迫ってきていることを、早く気が付かないといけない。でないと、いよいよ引き返せなくなる。八木和也

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