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2025.10.26

高市新総理について思うこと

自民党総裁戦の最中から高市早苗をテーマにコラムを連投してきた身としては、総理に就任が決まって何も発言しないわけにはいかず、彼女の総理大臣就任についての感想をコラムに書いておく。

 

今回の公明党の連立離脱から、維新との連立に至るプロセスをみていてもわかる通り、彼女は逆境に強く、運を持っている人だとは思う。

 

「血統」や「人脈」が幅を利かす自民党内で、サラリーマン家庭の出で無派閥を続けていた彼女が総裁の椅子を射止めるには、並外れた根性と才能だけでなく、運を味方につける能力も必須なはずで、今回の総裁誕生からのドタバタ劇もなんとか収めるところをみると、その悪運の強さは並みのレベルではないことが証明された。

 

それは混沌とする世界の中で、行き先を見失って大海原を漂いつづける日本丸のかじ取り役として、どうしても必要な能力なはずで、ぜひとも日本のために、その能力を如何なく発揮してもらいたいと思う。

 

私の政治的立場からすれば、自民と維新が連立することは決して好ましいものではなく、どちらかと言えば困ったことなのだが、唯一、私が考える好ましいシナリオがある。

 

維新は、比較的まだ新しい政党で、党名が示すとおり、少なくとも表向きは既得権を破壊し、改革を進めることを目指す政党である。たとえば裏金の問題についても、これまで明確に企業・団体献金の全面禁止を打ち出していた。これに対し、自民党は既得権を擁護することで既得権者から票を集め、選挙に勝ちづ続けてきた政党である。

 

したがって、この二つの政党は究極的には水と油で、一緒に組むことなどできないはずであった。

 

ところが今回一緒にない、いったいどこへ向かうのかであるが、維新としては、既得権の打破が党のアイデンティティである以上、どこかの局面では自民党が改革を進めないのであれば、連立から離脱すると通告する場面がやってくるはずで、それはそんな遠くない将来だろうと思う。

 

この局面で高市総理は、麻生副総理を筆頭とする自民党守旧派を見限り、高い世論の支持と、維新による後押しで、裏金問題などの政治制度改革をやり遂げるというシナリオである。

 

冒頭で述べたとおり、高市早苗は親から受け継いだ地盤もなく、派閥の実力者ですらなかったため、既得権をもつ業界団体との繋がりも希薄なはずで、個人的にはあまりしがらみはない政治家だと思う。

 

現状は自民党守旧派のコントロール下にあるように見える高市新総理だが、どこかのタイミングで改革派政治家へと変身し、改革を断行し、日本丸を浮上させてくれることができれば、私は同郷の県民として、彼女をとても誇りに思うだろう。もちろん、その可能性は限りなく小さいのではあるが。八木和也

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