中神戸法律事務所 Nakakobe Law Office

Column

中神戸法律コラム一覧

Column

中神戸法律コラム一覧

最近のニュース

2025.06.15

 移民問題について思うこと

 ヨーロッパやアメリカで頭を悩ませ続けてきた移民問題について、いよいよ日本でも決断しなければならない時期が到来しつつある。

 これから本格的な人口減少時代へと日本は突入する。最近発表された2024年の出生率は1.15(日本人女性が生まれてから亡くなるまでに生む子供の数の平均数が1.15人ということ)まで低下した。つまり男・女2人で生む子供の数が平均で約1人まで減ったのだから、シンプルに考えれば、日本はこれから一世代ごとに人口が半分に減っていく時代となる。

 すでにコンビニや居酒屋は、外国人の働き手がいなければ回らない状況にあることは誰もが知っている。また、あまり知られていないが、日本語能力がそれほど必要とされない工場のラインで働く人たちは、もっと外国人の需要は高い。これからはどんどん生産年齢人口が減っていくのだから、外国人なしでは回らない業界がますます増えるだろう。

 したがって、日本社会を維持していくためには、移民を入れていく以外に選択肢はなく、移民が入ってきてもらっては困ると叫んだところで、もはや、どうにも仕方ないことではないかと私などは思ってしまう。

 ただ、SNSをみていると移民は無用なトラブルを生むなどとして絶対反対だとの意見が多い。

 一番根っこにある不安は、移民の流入によって日本人が築き上げてきたこの礼儀正しき社会、親切で、勤勉な人々が支える安心な社会が崩れてしまうのではないかという点にあるのだろうと想像する。

 一つ誤解があると思うのは、移民の受入れは希望者の全員が日本社会で暮らせるというもっともオープンな仕組みから、希望者のうち、厳格なスクリーニングをしたうえで、適正な外国人だけが日本社会で暮せるというものまで、かなり幅は広い。

 私は、例えば5年間は日本で自らの仕事を持ちつつその収入で暮らしてもらい、そこで大過無く暮らせれば、日本社会で永住できる資格を与えるという程度のハードルは必要だろうと思う。5年間で犯罪はもちろん、様々なトラブルを起こした外国人は帰ってもらうわけである。 

 日本人が本心から多様性が尊重される国を目指すのであれば、一定のスクリーニングをかけたうで、外国人も積極的に受け入れ、異文化との交流を通じて、あらたな創造力ある社会を目指すべきではないかというのが私の意見である 八木和也

お問い合わせ