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2025.03.02

トランプ・ゼレンスキー会談で思う事

トランプとゼレンスキーの会談が激しい論争のすえ破談に終わったニュースが世界を駆け巡っている。このニュースをみて、私が感じることを少し述べておきたいと思う。

トランプは選挙公約でもウクライナ戦争の終結を掲げており、プーチンとの個人的な繋がりを使って大統領就任当初から停戦に向けた動きを活発化させてきた。

ただ、そこには被害者であるウクライナへの配慮が欠けているのではないかとの批判が常にあった。

プーチン大統領は、ウクライナ領土のクリミア半島やドンバス地域の一部などを侵略し、占領してしまっており、プーチンが今の情勢でこの地域を明け渡すことはあり得ず、現状での停戦は領土の放棄をウクライナに飲ませることになるのではないか、という懸念である。

報道をみると、今回の会談はレア・アースの権益にからんだアメリカのウクライナ戦争への関与継続が焦点で、具体的な停戦案の議論までは踏み込んでなかったようであるが、いずれにせよ出口がみえる状態ではない現時点で、停戦交渉を加速させていくのは危険すぎるというのが、私の率直に思うところである。

もっとも、ではウクライナによる領土の一部放棄以外にどのような出口があり得るのかというと、この選択肢も今のところ見当たらないというのが実情であろう。

つまりは、ロシアが自らの過ちを認めて進攻した地域から撤退するといったことを自らやるとは全く思えず、他方で、強制力をつかってロシアを退かせる能力も、残念ながらアメリカを含めてどこにもないのが現実だからだ。

ロシアは世界最大の核兵器保有国で、ロシアが国家的な危機時には核を使うと世界に向けて宣言してしまっている以上、ロシアを屈服させる術は今のところ国際社会にはないのである。

超大国アメリカが世界の最貧国アフガニスタンを進攻してから、完全撤退決断に至るまでに20年の時間を要した。

戦闘が膠着状態のままで、ウクライナがあと何年持ちこたえることができるのか、その間にどれだけ尊い命が失われていくのか、停戦を決断するタイミングにはこうした考慮も欠かせないとも思う。 八木和也

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