中神戸法律事務所 Nakakobe Law Office

Column

中神戸法律コラム一覧

Column

中神戸法律コラム一覧

最近のニュース

2026.02.08

 第51回衆議院議員選挙について思うこと(2)

今日は衆議院議員選挙の投票日だ。選挙運動の期間が非常に短く、しかも何が争点であるのかもよくわからない、とても不可解な選挙だった。しかも日本列島全体が悪天候となっており、投票率が伸びないのではないかと危惧している。

 

民主主義は時に失敗する。というか、民主主義をうまく作動させることはとても難しい。それは当たり前のことで、市民の多くは普段は政治のことなど関心がない。いざ選挙になって「では、選んでください!!」と言われたところで、「この政党が良いです。この候補者が良いです」などとすぐには決められない。

 

政治が扱うテーマは多様で、しかも多くの人に利害がある。税金のことも、物価のことも、外交のことも、外国人のことも、何百万、何千万の人たちの生活に影響を及ぼす問題だ。

 

けど、私たちは普段は例えば明日の仕事の段取りや、明日の子供のお弁当のおかず、明日の祖母の施設へのお迎え時間などに関心をもっている。私たちはいつももっと私的な空間で生きており、たくさんの利害がからむ公の空間について考えることなど慣れていないのだ。

 

なので、そうした問題はプロであるところの政治家に全面的に任せてしまう方が合理的な気もする。ところが、そうすると政治家が自分たちの利益のために政治を始めてしまう。ので、今のところは、面倒ではあるけれど民主主義という政治制度が一番ましだろうとされている。

ただ、そのためには前提がある。それは、政治の扱うテーマは多くの利害関係者がいる複雑な問題なのだという認識を市民が持っていることが前提なのだ。そのうえで市民は、問題となっているテーマについて、複数の異なる意見に接する必要がある。討論会などが開催されるのはそのためで、そうすることで、私的な問題を考える時とは別の角度から、より深く政治のテーマについて考えることができるようになる。

今回の選挙は、あたかもAKBのセンターを決める選挙のようだ。高市総理はだれが総理に相応しいかを決めて欲しいなどと言っていた。が、自分の推しを選ぶのは民主主義ではない。高市総理は選挙期間中の唯一の機会だったNHKの討論会も欠席した。議論する場を市民に提供せず、ここちよいフレーズだけがCMやネットで流された。市民の間では認識は何も深まらなかった。そこで決まったことなど、本当の民主主義による手続きと呼ぶことはできない。

700億円もの税金を使い、この2週間でいったい何が行われたのか。歴史の一大汚点となる選挙であったと総括されることになるだろうと私は思う。八木和也

お問い合わせ