今年もあと１０日となり、コラムも今年はこれが最後となる予定なので、今年一年を振り返っての感想を最後に書いておくことにします。

 

個人的には今年も新しい出会いや体験をたくさんさせてもらえたし、大過なく健康で過ごせたので、いい年でした。

 

特にジャッキー（愛犬）がダイエットに成功して散歩の距離が伸びたこと、阪神タイガースがリーグ優勝したことが良かったです。

 

けれど、世界を見渡せば第二次トランプ政権が誕生して気まぐれな関税政策で世界が振り回され、ウクライナの戦争は和平への道のりはまだまだ遠く、ガザでも一応の停戦が進んで人質が解放されたものの、散発的なイスラエル軍からの攻撃が未だに続いており、最近では、米国がベネズエラの船を一方的に爆撃して殺戮を繰り返すなど、決して良い一年ではなかったと思います。

 

日本についてみれば、大谷翔平、山本由伸が投打の柱を務めるドジャースがワールドシリーズを連覇し、ノーベル賞に二人も日本人が受賞し、映画の「国宝」がアカデミー賞のノミネート作品にリストアップされるなど、今年もスポーツ、学問・科学、文化の各分野で、素晴らしい活躍があったことは誇らしい限りです。

 

ただ、残念ながら経済で言えば、円安がさらに進行して物価高は私たちの暮らしを直撃し、廃業へと追い込まれる中小事業者が私の周りでも増えています。今年に入り、経済は非常に厳しい状況になってきたと思っています。

 

日本の政治については、最近繰り返し書いてきましたが、機能不全が本当に深刻です。高市総理による不用意な発言から始まった中国との緊張は、関係改善の糸口がまったく見えず、中国政府による渡航制限や留学制限など、これから日本経済をさらに苦しめるであろう事態が進展しております。円高対策も、バラまきだけで解決できるとは到底思えません。長期金利も上昇し続けており、なんとも頭を抱えてしまいます。

 

そんな中で私が考える今年の最大のトピックは、いよいよチャットGPT（略してチャッピー）などのLLM（大規模言語モデル）が日常生活に浸透してきたことでしょうか。チャッピーは人生や恋の悩みなども寄り添って聞いてくれるそうで、心の支えにしている方も多いとか。私の業務分野に限ってみても、LLMの文章作成能力が飛躍的に向上し、法律的な文章が誰でも作れるようになってきました（ただ、まだまだ正確性には難があります）。弁護士業界も変革が求められています。

 

かようにして２０２５年は、世界は混乱が深まり、日本も（スポーツや文化面を除き）衰退が進んだ一年でしたが、新しい技術が浸透し始め、いよいよ人類もあらたなステージへと移行する段階が始まった年でもあると思っています。

 

来年は世界での紛争が少しでも減り、日本と中国との関係も改善し、円安にも歯止めがかかるといった段階へと移ることを心から願い、今年のコラムを終えようと思います。

 

皆さま良いお年を　八木和也