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2025.11.25
他人の家の中に土足で踏み込むと関係が終わります
日中関係の悪化が止まらない。高市首相の「台湾有事が存立危機事態になり得る」との国会答弁が波紋を広げている。
何がそれほど問題なのかについて、まだ世間に十分に浸透していないように思うので、前回に引き続き、このテーマを取り上げたいと思う。
国家の首脳が他国の問題を語るとき、決して踏み越えてはならない大原則があります。国際社会において、国家元首が発言するうえで、もっとも基本的なルールと言っても良いです。それは内政不干渉の原則です。
たとえば、一昨日新潟県知事が柏崎刈谷原発の再稼働の容認を発表しました。このテーマについて、お隣の韓国の大統領が原発は危険だから再稼働すべきではない、などと発言したら日本人はどう思いますか。
たとえば高市首相が今回経済対策で21.3兆円の規模の財政出動を決めたそうですが、そのことについて、中国の習近平国家主席が、日本の財政赤字がさらに膨らむため、規模は10兆円程度にとどめるべきだと言ってきたら、日本人はどう思いますか。
日本人は、そんな事は私たちの国の中で考えることであって、他国の国家元首にとやかく言われる筋合いはないなどと反発すると思うのです。
これは私たち個人の間の付き合い方としても、当然のルールとして存在しています。例えば仮に私に中学生の娘がいるとして、娘が不登校になったとします。そして、私は娘をなんとしても学校に行かようと頑張っていたとします。そんな時、友人から、子供のやりたいようにやらせればいいと思う、もし子供を実力で学校に行かそうとするならば、私は、あなたの家に押し入ってでも、あなたを阻止するだろうと言われたらどうでしょうか。この瞬間に私と友人の関係は終わるはずです。
では、はたして台湾は家族内の問題なのか(中国国内の問題)、それとも家族とは別に生計を営む独立した存在どうしの問題なのでしょうか。
ここで押さえておきたいことが、これを決めるのは日本ではないということです。このことは国際法で決まり、国連によって規程されることなのです。そして、台湾は未だ国とは認められておらず、国連にも加盟できていません。よって国際社会では中国における家庭内の問題として位置付けられているのです。
したがって、台湾と中国との関係の問題は、中国における国内問題に留まるというのが国際社会での常識であり、このことを、外国の首脳が発言するうえで、当然の前提とすべきだということになるのです。
だから、高市首相は、今回の発言で、中国の家の中に土足で踏み込み、場合によっては実力で阻止するなどと、とんでもない事を発言してしまったということなのです。
この点は、高市首相の発言に追随してくれる国がどれだけいるか考えればわかるのことです。高市発言にエールを送り、賛同してくれる国などゼロです。これからもずっとゼロのままです。アメリカでも、高市発言に賛同はしてくれないし、これからもしません。他の国々は、国際社会における当然のルールを踏み外していることを分かっているから決して賛同してくれないのです。
私は何回でも言います。高市総理はこの発言を撤回するしかないと思います。もし撤回できないなら総理を辞めるしかないと思います。そうでなければ、数10兆円ではすまない規模の損失をこれから日本を被ることになり、日本円の信用はさらに低下し、私たちの生活を破壊していきます。八木和也