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2025.07.07
参議院議員選挙について思うこと
参議院選挙が盛り上がっている。SNSの浸透で選挙情報を入手しやすくなったことが功を奏しているのだと思う。大変結構なことだ。
ただ、さらに政治を進めるためには、この選挙の機会にもう少し踏み込んだテーマについて、国民的に議論することが大切なのではないかとも感じる。
最大の争点が物価高対策とその財源にあるという。そのことは、否定はしないのだけれど、なぜ物価高にここまで国民が苦しめられることになったのか、どうして日本が過去30年間、GDPは少し増えたをのに国民の可処分所得が逆に減っているのか、そこまで掘り下げた議論があったらもっといいと感じている。
例えば消費税である。消費税というものを皆さんがどうとらえているのか分からないのだけれど、私などの零細事業者は、消費税とは売り上げにかかる税金だと考えている。事業としては赤字であっても、売り上げがある限りは、そこに10%の税金がかけられる。儲かっているか、儲かっていないかは関係がない。事業をやって売り上げをあげている限りは必ず取られる税金である。
これに対して法人税は、事業者の利益にかかる税金である。利益を出している事業者に応分の負担を求め、沢山儲けている企業には、たくさん払ってもらうという税金である。
ここ30年にわたって、日本は法人税を下げて、その不足分を消費税を上げて補ってきた。儲かっている企業だけが負担するのは不公平で、広く薄く国民が税を負担するのが公平であるといった考え方が背景にあった。
この結果、利益の乏しい中小零細事業者や、生活必需品の購入にまで税をかけられる勤労者たちは、自分たちが自由に使えるお金がどんどん減ってきた。逆に、儲けている大企業はどんどんお金を貯めこんできた。
こうした日本の政治の方向性が本当に正しかったのか否か、これからもこの方向を続けるのか否かをこの選挙で国民に判断させるべきではないかというのが、私の意見である。
幸いなことに、トヨタ自動車や三菱重工業、楽天やソフトバンクも、会社としては一票も持ち合わせていない。選挙では、個々人にしか票は与えられておらず、その一票が持つ力は資本力や社会的地位などは関係ない。
あるべき税の負担とはどのような形がベストなのか、この点こそが物価高対策の根本にある一大争点なのである。参議院選挙では、そのことを国民が審判して欲しいと強く思う次第である。