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2025.06.23

「令和の米騒動」の顛末?

 昨年から続いた「令和の米騒動」も「備蓄米」のおかげで一服なのでしょうか。米の値段は需要と供給のバランスで決まる、というのが資本主義経済の原則です。コメの需要に比べて供給が足りないから価格が上がるのは仕方ありません。
 昨年春頃から徐々に米の値段が上がってきました。国会でコメの値段を質問されたところ、当時の農水大臣は「新米がでるころには下がっていく」と答弁しましたが、案の定そんなことはなく、結果2倍以上の価格となったのは、ご承知のとおりです。
 今年に入ってからは、米は買ったことがないと公言した農水大臣が更迭され、新たにコメ担当大臣となったのは、小泉進次郎さんです。小泉さんは「備蓄米」の放出方法を随意契約方式に換えて大量に放出しました。そのため、徐々にコメの値段が下がってきたようです。
 しかし、元々「備蓄米」は凶作などによる米不足を想定して政府が食料備蓄として保存しているお米です。従って、備蓄するときに既に税金が投入されていて、災害時などに国民に無料で供出されるものでしょう。従って「備蓄米」を買う国民からすれば税金の二重取りではないかと思います。
 「令和の米騒動」を根本的に解決するには、受給のバランスから考えて米の増産しかありません。農業の基本政策から変えていくべきでしょう。しかし、早くも今年の新米の値段も高騰するという予測も出ています。とすると、今年の二の舞、いや米だけに「二の米」にならないように政府を監視しないといけないですね。
               (弁護士 西田雅年)

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