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2020.12.02

往生際の悪い人

弁護士 西田雅年

 もしも世界「往生際の悪い」選手権(あるいは悪あがき選手権)というものがあれば,文句なしの一位はトランプ米大統領でしょう。選挙結果を素直に認めようとせず,「票をかすめ取った」とか「自分の票が捨てられた」と,あーだこーだと言って敗北を認めない姿が全世界に曝されている。現在トランプ氏は全米各州で選挙に不正があったとして裁判を起こしているが,報道によれば既に30件もの裁判で敗訴しているという。ちなみに,顧問弁護士の報酬は1日当たり200万円以上とも。
民主主義国を標榜するアメリカで,選挙結果=民意に従わず,いかがわしい陰謀論に与するなど,決してあってはならない。古今東西権力を握っている側が不正を働くことはあっても,権力を持っていない側が不正を働くなど考えられない。特に,世界で一番情報収集能力の高い国の権力者が,不正の証拠を掴めないというのはあり得ない。
権力を握っている側が不正を働くことは日本でもあり,いろいろな証拠があっても決して認めようとしなかった例もある。世界「往生際の悪い」選手権の第2位は,日本のあの人かもしれない。

(12月1日記)

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